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部分放電とは?音響イメージングで設備異常を見つける点検PoCの基本

部分放電とは?音響イメージングで設備異常を見つける点検PoCの基本

Writer: SensBase
SensBase
Oct 2
5 min read

工場や受変電設備の保全では、故障が起きてから対応するのではなく、異常の兆候を早めに見つける予防保全が重要です。電気設備で注意すべき現象の一つに部分放電があります。部分放電は目視だけでは判断しにくいことが多く、音響イメージングカメラや熱画像カメラなどを組み合わせた点検PoCの対象になります。

 

この記事でわかること

 

  • 部分放電の基本概念

  • 設備保全で部分放電が問題になる理由

  • 音響イメージングカメラで確認できること

  • 点検PoCで記録すべき情報

  • レンタル評価時に注意したい安全面と運用面

 

部分放電の音響信号を音響イメージングカメラで可視化する概念図

 

 

部分放電の基本概念

部分放電とは、絶縁物の一部や電界が集中する箇所で局所的に放電が発生する現象です。設備全体がすぐに大きく破壊されるとは限りませんが、絶縁劣化、汚損、湿気、接続部の問題などと関係する場合があり、長期的には設備トラブルの前兆として扱われます。

現場点検で難しいのは、部分放電が常に見える形で現れるとは限らないことです。異音、臭い、発熱、汚れ、トラッキング跡などが手がかりになる場合もありますが、稼働中設備では接近確認が難しいことがあります。そのため、非接触で候補箇所を探せる計測機器を使い、異常の疑いを記録する方法が注目されます。

 

比較表

点検観点: 音響 / 確認したい内容: 放電由来の音の発生位置候補 / 注意点: 周囲騒音との切り分けが必要

点検観点: 熱画像 / 確認したい内容: 接続部や機器表面の温度差 / 注意点: 放射率や反射の影響を考慮する

点検観点: 目視 / 確認したい内容: 汚損、劣化、変色、破損 / 注意点: 安全距離と設備停止条件を守る

点検観点: 記録 / 確認したい内容: 位置、時刻、負荷状態、環境 / 注意点: 同じ条件で再確認できる形にする

 

音響イメージングで見るべき技術ポイント

音響イメージングカメラは、複数のマイクで取得した音を画像上に重ね、音源位置の候補を可視化する機器です。部分放電点検では、疑わしい箇所を画面上で示し、設備位置や周辺状況と一緒に記録できることが利点です。目視や聴覚だけでは説明しにくい現象を、保全チーム内で共有しやすくなります。

ただし、音響画像に反応が出たからといって、それだけで原因や危険度を断定するのは避けるべきです。周囲の機械音、エア漏れ、接触音、反射、距離、角度によって見え方が変わる可能性があります。PoCでは、同じ場所を複数方向から確認し、設備状態、負荷、周辺騒音、記録画像をセットで残すことが重要です。

 

【ポイント】 音響イメージングは「異常候補を見つける」ための強い手段ですが、最終判断には安全基準、設備知識、必要に応じた追加点検を組み合わせる必要があります。

 

 

工場・受変電設備での応用

工場では、配電盤、制御盤、ケーブル接続部、エア設備、回転機器など、点検対象が広範囲にあります。部分放電の疑いがある設備では、まず安全な距離から候補箇所を探し、異常が出やすい時間帯や負荷状態を記録します。定期点検と組み合わせると、過去画像との比較や保全計画への反映がしやすくなります。

受変電設備や高電圧設備では、安全面の制約が特に重要です。点検者が近づきすぎないこと、社内の電気安全ルールに従うこと、設備停止が必要な作業と非接触確認を分けることが前提になります。音響イメージングカメラは、離れた位置から候補箇所を絞る用途に向いていますが、法的判断や設備診断の代替として単独で使うものではありません。

 

選定時の注意点

部分放電や設備異常のPoCでは、計測機器の操作性だけでなく、点検ルート、記録形式、報告書の作りやすさを確認する必要があります。現場で使う機器は、担当者が短時間で扱えること、画像や動画を後から見返せること、異常候補を説明しやすいことが重要です。

 

  • 点検対象と安全距離を事前に決める

  • 周囲騒音が少ない条件と通常稼働条件の両方を確認する

  • 同じ箇所を複数角度から記録する

  • 音響画像、可視画像、必要に応じて熱画像をセットで残す

  • 異常候補を発見した後の社内確認フローを決めておく

確認できない診断基準や法規制を記事や社内資料で断定するのは避けるべきです。PoCの目的は、まず自社設備で音響イメージングが使える点検手段になるか、既存の保全フローに組み込めるかを判断することです。

 

関連機器

Sensbaseでは、研究開発・PoC・実証実験向けにHIKMICRO AI56などの音響イメージング関連機器をご案内しています。設備保全では、音響画像に加えて熱画像カメラを組み合わせ、異なる観点から異常候補を記録することも有効です。

 

よくある質問

 

音響イメージングだけで部分放電を断定できますか?

断定は避けるべきです。音響イメージングは異常候補の発見と記録に役立ちますが、原因判断には設備知識、安全基準、必要に応じた追加点検を組み合わせる必要があります。

 

工場の騒音が大きい場所でも使えますか?

周囲騒音は評価に影響します。PoCでは通常稼働時と比較的静かな条件の両方で記録し、音源候補が安定して見えるかを確認することが重要です。

 

熱画像カメラとの違いは何ですか?

音響イメージングは音の発生位置候補を可視化し、熱画像は表面温度の分布を可視化します。設備点検では、異なる現象を見る手段として組み合わせると判断材料が増えます。

 

まとめ

部分放電は、電気設備の絶縁劣化や異常の兆候として扱われることがある現象です。音響イメージングカメラを使うと、目視だけでは分かりにくい音源位置の候補を画像として記録でき、設備保全PoCで有効な判断材料になります。ただし、単独で断定せず、安全ルールと追加確認を組み合わせることが重要です。

Sensbaseでは、研究開発・PoC・実証実験向けに音響イメージングカメラや設備点検関連機器のレンタルをご案内しています。短期間の評価や導入前検証をご検討の場合は、お気軽にお問い合わせください。

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